トヨタ、ソニー、JR東日本、JAL(日本航空)、高島屋などが発行するクレジットカード。こうした企業は、業務処理さえクリアできれば、顧客情報はできるだけ自社で把握し、それをもとに様々なサービスを提供していけると判断しました。特に航空各社は「マイレージ」を考案し、ポイント還元ブームの先駆けとなって飛躍的に会員を増やし、他のカードとのポイント交換まで裾野を拡げた功績は大きいものがあります。近年クローズアップされているのが、ヤフーや楽天などのクレジットカード進出です。インターネットと金融は「カネに色の違いはない」(銀行関係者)ことから、相性が良いとされており、ショッピングモール最大手の楽天では決済の4割がクレジットカードだといわれています。クレジットカードは会員数が増えたからといって、それが収益増になるわけではないのです。年会費無料のカードも多く、「年会費を収益の柱にしているようでは、先は暗い」(信販関係者)と言わざるを得ません。常に消費者の購買動向やトレンドを先取りして、他社がすぐに真似できないサービスをいち早く提供し、カードの稼働率を上げることが求められます。
五〇年代以後、ヨーロッパでドル建ての国際取引が活発になった背後には、次のような歴史的経緯が存在する。イギリスは五〇年代以後インフレの悪化に苦しんでいたが、一九五六年にはスエズ動乱が発生した。当時はブレトンウッズ体制の下で固定相場制が採用されていたが、インフレの悪化に加えてスエズ動乱が発生したことにより、投資家たちは「イギリス政府はポンドを切り下げるのではないか」と予想して、こぞってポンドを売ってドルなどの外国通貨に換えようとした。そこでイギリスは、固定相場を維持するために厳しい為替管理を課して、ポンド売りに対処した。イギリスの金融機関は、一九世紀以来「シティ」と呼ばれるロンドンの金融街において国際貿易を中心とする国際金融に携わってきたが、この厳しい為替管理によってポンドによる貿易金融業務などを行うことができなくなってしまった。他方、イギリスは自国内の銀行(外国銀行を含む)に対して、ドルなどの外貨による非居住者との取引については規制を緩和し、取引を自由に行えるようにした。
アメリカで失業者が増えたという情報が市場に流れたとします。すると、市場ではドルを売って、マルクや円を買う動きが強まります。景気テコ入れのため、アメリカは金利を下げるに違いないとみて、金利の高い通貨に乗り換える人が増えるからです。金利が下がって景気が回復すれば、ドルヘの人気は再び高まりますが、インフレが発生するとドルは売られます。物価が高騰すれば、アメリカの通貨当局は公定歩合を引き上げます。そうしてアメリカの金利が高くなると、こんどはマルク円が売られ、ドルが買われます。日本の貿易収支は大幅な黒字が続いています。そこで、金融を緩和して内需を刺激するのがスジですが、1980年代後半には国内でバブルが発生したため、日銀は公定歩合を引き上げました。それにより、ストックインフレは終息したものの、景気が悪くなって輸入は減り、貿易黒字がかえって大きくなりました。貿易黒字は円相場を押し上げる力になります。円高は、物価にはいい影響を与えますが、輸出企業の円の手取りは減るので景気には一時的にマイナスに働きます。ここで、国際通貨制度をめぐる新しい動きを紹介しておきましょう。国の数だけ通貨の種類があるから混乱も起きる。いっそのこと、同じ通貨を使ったらいいじゃないかーという発想で登場してきたのが、EC12力国の通貨統合案です。たしかにいいアイデアですが、この場合でも12力国のインフレ格差を縮め、それぞれの国内経済を似たような姿にしないとうまくいきません。